ー新築建売 不動産屋のマメ知識ー
☑建売住宅の購入を検討しているが、
事前に必要なオプションを検討したい
☑建売住宅のオプションにどのような
ものがあるか、選ぶべきか知りたい
☑建売住宅の標準仕様とオプションについて解説
☑値引き交渉をして良いのか、どのように交渉
すれば成功する可能性が高いのか
大学卒業後、大手ハウスメーカーに住宅営業として勤務後、2019年に明和住宅へ転職。
大手ハウスメーカーと地元工務店双方を経験しているため、両側の目線での住宅提案が可能。土地も扱う明和住宅において、セミオーダー形式による注文住宅のコストカット提案等、地元工務店ならではの柔軟性を活かした営業活動を行う。
皆さんこんにちは。
明和住宅スタッフ営業担当の坂本です。
新築の建売住宅には、最低限の設備が標準仕様で備え付けられていますが、追加でオプションを組み合わせることも可能です。カーテンレールや照明、テレビアンテナなどの基本的なオプションから、バルコニー屋根、シャッター、床暖房などの付加価値が高いオプションまで、選択肢は豊富にあります。
ライフスタイルやニーズに合わせて適切なオプションを選ぶことで、防犯性・利便性・快適性を高めながら理想の住まいづくりを実現できるでしょう。
本記事では、建売住宅におすすめのオプションを費用相場とともに幅広く紹介します。オプション選択時の注意点や気になる疑問にも触れているため、建売住宅の購入をお考えの方は参考にしてみてください。
※本記事に記載している費用相場はあくまでも相場の目安になります。
✔建売住宅のオプションとは
建売住宅は、生活するうえで最低限必要な設備を標準仕様としています。例えば浴室やお手洗い、キッチン、壁クロス・フローリングなどは、建売住宅に始めから備わっており、本体価格に含まれているのが一般的です。
しかし、標準仕様の設備だけで生活をスタートできるケースは少ないでしょう。快適な生活環境を整えるために、不足しているものは別途オプションで追加する必要があります。
オプションの内容は施工会社によって異なりますが、基本的な設備から個々のニーズを柔軟に反映できるものまで、選択肢は豊富です。
このため、建売住宅を購入する際は、標準仕様とともにオプション内容も事前に確認し、自身のライフスタイルに合った必要設備を見極めておきましょう。
●建売住宅の基本的なオプション一覧
建売住宅は、生活上必要となる標準仕様以外の基本的な設備をオプションで選択できます。基本的なオプションの種類と費用相場は、以下のとおりです。
オプション |
費用相場 |
---|---|
カーテンレール |
5,000〜1万円/窓1ヶ所 |
室内用の物干しバー |
1~2万円 |
エアコン(設置工事費用) |
2~3万円/1台 |
※網戸 |
5,000~1万円/1枚 |
※照明 |
5,000~2万円/1点 |
表札 |
2~4万円 |
※テレビアンテナ |
5~10万円 |
※網戸、照明、地デジ用テレビアンテナは明和住宅の建売住宅では標準仕様です。
※上記の表はあくまでも一般的な目安となります。
●カーテンレール
カーテンは、調光や熱の遮断、プライバシー保護など、さまざまな観点から生活上欠かせない存在です。しかし、建売住宅にあらかじめカーテンレールを取り付けてしまうと、カーテン選びの自由度が低くなるため、多くの住宅でカーテンレールはオプションとして扱われています。
DIYでの取り付けも可能ですが、仕上がりのよさを求めるのであれば、業者による確実な施工がおすすめです。
カーテンレールのオプション費用は、窓1ヶ所あたり5,000~10,000円程度が目安となります。
室内で洗濯物を干せる物干しバーは、雨の日や花粉の多い季節には特に活躍します。床置きタイプの物干しスタンドとは異なり、天井や壁に取り付けるため、使わないときにもスペースを取らず空間を有効活用できるのがメリットです。
昇降式やシンプルなデザインのものであれば、インテリアの雰囲気を損なうこともありません。洗濯機の近く、あるいは日当たり・風通しのよい場所などに設置すると、より快適に室内干しができるでしょう。
建売住宅に物干しバーを設置する場合、費用は20,000~50,000円程度となります。
●エアコン
エアコンは多くの場合、建売住宅の標準仕様に含まれていません。エアコン本体は、家電量販店やネット通販で購入したほうが費用を抑えられる場合があるため、設置工事のみ業者に依頼するのもよいでしょう。
エアコン1台あたりの設置工事費用は、20,000~50,000円程度が目安です。
空調機器が必要になってくる夏前・冬前などは、家電販売店でもエアコンの需要が高まり、目当ての商品がなかなか購入できない可能性もあります。入居のタイミングに間に合うよう、早めに購入して業者に設置を依頼しておくと安心です。
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●網戸
網戸も、建売住宅に必須でつけておきたいオプションです。蚊などの虫が窓から侵入するのを防ぐとともに、室内に外の新鮮な空気を取り入れられます。破れに強いもの、花粉をカットしてくれるものなど、機能性の高い網戸を選択することも可能です。
網戸の設置費用は、1枚あたり5,000~10,000円程度です。建売住宅全体に平均的な網戸を取り付ける場合、窓の数やサイズによっても費用は変動しますが、合計100,000~150,000円ほどかかります。
初期投資には一定のコストがかかりますが、住宅の快適さを長期的に維持できるよう、網戸の追加工事もあらかじめ業者に依頼しておきましょう。
●照明
建売住宅では、照明もオプションとなることが多いです。玄関や浴室など一部の箇所にはあらかじめ設置されている場合もあるものの、リビング、寝室といった主要な生活空間の照明は、追加工事を行わなければなりません。
照明は、ただ明るさを提供するだけでなく、住宅の雰囲気を大きく左右する重要な要素です。どの部屋にどのような照明が必要か、どこに配置するかを検討したうえで、インテリアにマッチした照明器具を選んでおきましょう。
照明器具をオプションで設置する場合、1点あたり5,000~20,000円程度で依頼できますが、追加で電気工事が必要なときには費用が上乗せされます。電気工事の費用は、1ヶ所あたり3,000~10,000円ほどです。
●表札
表札は、荷物や郵便物を正確に配達してもらうためにも、入居前に忘れず依頼しておきたいオプションです。一般的な表札の価格は20,000~40,000円程度ですが、選ぶ材質やデザインによって相場は変わってくるでしょう。
ホームセンターやWebショップなどで手軽に購入できるもののほか、住宅の外観に合わせて専門店でオーダーするのも一つの選択肢です。
●テレビアンテナ
建売住宅にテレビアンテナの設置工事を行う場合、50,000~100,000円程度のオプション費用がかかります。
テレビを視聴するには、アンテナ・ケーブルテレビ・光テレビのいずれかの設備が必要です。ただし、ケーブルテレビや光テレビを利用するには、導入後も月額料金が発生し続けます。
テレビアンテナの場合、基本的には初期設置費用のみで出費が済むため、長期的な目で見れば十分な費用対効果が見込めるでしょう。
✔建売住宅であると便利なおすすめオプション一覧
ここからは、建売住宅での暮らしをより便利にしてくれるオプションを紹介します。家事の負担を減らしたい、防犯性を高めたいなど、自分自身や家族の希望に合わせて必要なオプションを吟味してみてください。
あると便利!おすすめオプション一覧表
オプション |
費用相場 |
※シャッター |
5〜10万円/1枚 |
バルコニー屋根 |
10~15万円 |
スマートキー |
6~12万円 |
ガスコンロから |
15~20万円 |
床暖房 |
60~250万円/15畳 |
※温水洗浄便座 |
2~5万円 |
※ビルトイン型食器洗浄機 |
10~20万円 |
壁紙 |
1,000円~/1平方メートル |
※シャッター、温水洗浄便座、ビルトイン食器洗浄機は明和住宅では標準装備です。
※ガスコンロ、スマートキーは住宅により標準で設置されています。
※上記の表はあくまでも一般的な目安となります。
設置時はエクステリアとのバランスも考慮しなければならないため、早めに施工業者へ相談しておけるとベストです。
シャッターは、防犯対策だけでなく自然災害から家を守るためにも役立つ設備です。
1階の窓すべてにシャッターを設けることで、不在時や夜間の侵入リスクを減らせます。台風が多い地域などは、飛来物による窓ガラスの破損を防げるよう、2階の窓にも設置を検討してみましょう。
シャッターには遮音効果や遮熱・防寒効果も期待できるため、費用対効果を重視したい方にもおすすめのオプションです。
建売住宅へのシャッター設置費用は、1枚あたり50,000~100,000円程度となります。
●バルコニー屋根
標準的な新築住宅の多くはバルコニーに屋根がありませんが、スペースを有効活用したい場合、オプションで屋根を設置しておくと便利です。例えばバルコニーで洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりするとき、屋根があれば急な雨に降られても慌てることがありません。
また、雨や直射日光から物干し場所・網戸・窓ガラスを保護でき、設備の劣化を防ぎやすくなります。結果として、メンテナンス費用の節約にもつながるでしょう。
バルコニー屋根の設置費用は、50,000~150,000万円程度です。
IHクッキングヒーターの設置には初期費用がかかるものの、安全面や利便性、さらにガス代が高い地域では光熱費を抑えやすくなるなどのさまざまなメリットが期待できます。火を使わないため、子育て世帯にとっては一般的なガスコンロより安心感があるでしょう。
また、IHクッキングヒーターは、お手入れが簡単で掃除がしやすいのも魅力です。建売住宅に備え付けられているガスコンロをIHクッキングヒーターに変更する場合、費用は100,000~150,000円程度となります。
●床暖房
床暖房は、建売住宅のオプションのなかでも人気がある設備の一つです。冬場も足元から暖かく、特に寒さが厳しい地域では活躍してくれるでしょう。
また、エアコンや電気ストーブとは異なり、空気の汚れ・乾燥などを気にする必要がなく、ホコリも舞い上がりません。このため、アレルギー対策にも効果的です。
ただし、設置費用は15畳600,000~2,500,000円と高額で、使用頻度が高い冬場は電気代も高くなる傾向にあります。
床暖房の種類(電気式・温水式)や設置方法、新築時に設置するのか、後付けなのかでも費用は変わってくるため、必要性と費用のバランスを慎重に考えることが重要です。
温水洗浄便座は、日常生活に快適性をもたらしてくれるだけでなく、衛生面でもメリットの多い設備です。自動洗浄機能や脱臭機能、除菌機能などを備えた温水洗浄便座であれば、トイレ掃除の負担を減らしてくれます。
通常の便座から温水洗浄便座へ変更する場合、おおよそ20,000~50,000円のオプション費用がかかります。
建売住宅に始めからついている標準仕様のトイレからタンクレストイレへの変更も、オプション工事となるのが一般的です。
ビルトイン型はキッチンに直接組み込むため、スペースを取らないのがメリットです。
一般的なビルトイン型の食器洗浄機をオプションで追加する場合、費用相場は100,000~200,000円ほどとなります。
ただし、洗い物が少ない家庭などでは、活用できる場面が少なく、そのぶん収納スペースを確保したほうがよかったと感じるかもしれません。ライフスタイルなどをふまえて、慎重に要否を検討しましょう。
●壁紙建売住宅の壁紙は、オプションで機能性が高いものや自分好みのものへ変更できます。
利用頻度が高い空間では、デザイン性と機能性を兼ね備えた壁紙を選ぶのがおすすめです。
例えばトイレや洗面所なら、防水・消臭効果のある壁紙に変えることで、湿気と臭いを軽減して快適性を向上させてくれます。リビングの空間づくりにこだわりたい場合、アクセントクロスを使うと部屋の雰囲気を一気に変えられるでしょう。
壁紙の機能によっても費用は変わってきますが、1平方メートルあたり1,000円程度でアップグレードが可能です。
ただし「子どもが小さいうちは汚れる可能性がある」といった理由から、標準仕様の壁紙のまま居住を開始し、一定期間を経てから好みのデザインのものへ変更する方もいます。
建売住宅にオプションをつけることで、利便性や快適性は大きく向上しますが、相応の費用がかかることを念頭に置いておきましょう。予算をオーバーしてしまった、いざ住み始めたらオプション設備をうまく活用できなかった等の後悔を防ぐには、費用対効果を事前に見極めることが大切です。
建売住宅にオプションをつける際の注意点を3つ紹介します。
●1.必要性を確認する
建売住宅のオプション追加を考える際は、長期的な視点から必要性を精査し、優先順位をつけるようにしましょう。流行の設備や仕様は、時間の流れとともに必要性が薄れてしまうかもしれません。
不要な出費を避けるためには、建売住宅に長く住み続けるなかで「つけてよかった」と思えるオプションだけを選定する必要があります。
セキュリティを重視したい場合➡面格子やスマートキーなどのセキュリティ関連が優先順位の高いオプション
家事の手間や時間を減らしたい場合➡IHクッキングヒーターや温水洗浄便座、ビルドイン式の食器洗浄乾燥機
家族のライフスタイルと希望をふまえて、必要性の高いオプションを絞り込んでみてください。
●2.予算管理を意識する
建売住宅のオプションには幅広い選択肢があり、あれこれと目移りしてしまうかもしれませんが、頭ではつねに予算管理を意識しましょう。
無計画にオプションを追加してしまうと、気づかないうちに総工費が予算を超える可能性があります。使える予算が限られている以上、余計な支出を避けながら、最適なオプションを選ばなければなりません。
事前に予算を設定したうえで、お金をかけてよいところ・余裕があればアップグレードさせたいところを明らかにし、優先順位の高いオプションを厳選してみてください。オプション設備にかかるランニングコストも、忘れてはいけないポイントです。
●3.複数の業者から見積りをとる
建売住宅のオプション工事を行う際は、複数の業者に問い合わせて、サービス内容と価格を比較してから依頼へと進みましょう。オプション内容は業者によって異なり、十分な情報収集をせずに依頼を決めてしまうと、費用面で損をする可能性があるためです。
とある建売住宅メーカーでは100万円のオプションだったシステムキッチンが、別の専門業者なら、同等の仕様のものを80万円で施工できるといったケースも考えられます。
必ずしも、建売住宅を購入したメーカーにオプション工事まで依頼するのが最善とは限りません。複数の専門業者から見積もりを取って、自分のニーズに合った提案をしてくれるところを選定しましょう。
✔建売住宅のオプションについてよくある疑問
建売住宅のオプションには魅力的なものも多く、予想外に費用がふくらんでしまったり、ぎりぎりまで依頼内容を迷ったりなど、悩む場面もあるでしょう。
「オプション費用の交渉はできるのか」「いつまでに依頼しなければならないのか」など、建売住宅のオプションに関する気になる疑問にお答えします。
●建売住宅のオプション費用は交渉可能?
建売住宅のオプション費用は、施工業者と交渉できる場合があります。
オプション費用には施工業者の利益が含まれており、一定の柔軟性があるためです。業者によっては、1~2割程度の値引きが期待できるでしょう。
検討を重ねながら依頼内容を固め、より具体的な見積もりを出してもらったときが交渉のチャンスです。ただし、過度な値引きを求めてしまうと施工業者の心証を悪くする恐れがあるため、常識の範囲内で、1~2割程度の値引きを目指してみてください。
複数のオプションをまとめて依頼する場合には、交渉に応じてもらいやすいはずです。
また、「建売住宅の価格の値引きの代わりに、追加オプションのサービスを交渉する」という方法もあるため、営業担当に相談してみるのもよいでしょう。
●建売住宅のオプションはいつ決めればいい?
建売住宅のオプションは入居後にも依頼できますが、工事が完了した状態で住み始めたい場合、入居1〜2ヶ月前までには依頼できているのが理想です。
なかでも、床の素材変更や壁の下地変更など、構造上または技術的に引渡し後の施工が難しいオプションは、早めの相談を心がけましょう。
オプションの内容によっては、依頼時期が遅れることで、希望の仕様を実現できなくなる可能性もあります。入居日までに十分な余裕がある時期から、メーカーや施工業者と打ち合わせを行い、必要なオプションを備えた理想の住まいづくりを叶えてみてください。
●オプションを後付けすると割り高になる?
建売住宅のオプションを後付けする場合、入居前に依頼するよりも割り高になる傾向にあります。
新築の建売住宅にオプションを組み込む場合は、建設プロセスのなかで同時に施工できます。しかし、入居後にオプションを後付けするケースだと、すでに完成した構造の一部を解体・改修しなければならないほか、状況によっては家具・家電の運び出しも必要です。
スマートキーへの交換など、大規模な解体・改修を伴わないオプションなら、後付けでも費用は大きく変わりません。一方で、床暖房の後付けなどは、新築住宅に組み込むケースと比べて工程が増えるぶん割り高になります。
現在の自分たちに必要なオプションとあわせて、将来的に必要になるであろう設備も想定しておくことが、思わぬ追加費用を避けるためのポイントです。
●オプション費用も住宅ローンの「物件価格」に含まれる?
建売住宅のオプション費用は、住宅ローンの物件価格に含めることが可能です。
住宅ローンは多くの場合、土地取得費や本体工事費、別途工事費、設計管理費用などに加え、メーカーが提供する純正オプションの工事費用も対象としています。
ただし、オプション工事費用を住宅ローンに組み込むには、本体工事費などと同時に金融機関へ申請しなければなりません。建売住宅の住宅ローンが一度通ったあとで、オプション費用の融資も追加で希望する場合、改めて総額の申請を行う必要があります。
また、オプション費用も住宅ローンに含めるとなれば、その分返済額の負担は大きくなる点を理解しておきましょう。無理のない資金計画を立てたうえで、賢く住宅ローンを活用してみてください。
✔まとめ
建売住宅は、必要最低限の設備を標準仕様としていますが、個々の要望やライフスタイルに合わせたオプションを追加することで、より快適な暮らしを実現できます。
カーテンレールや照明、網戸などの基本的なオプションから、床暖房、バルコニー屋根、スマートキーといった快適性・利便性・防犯性を高めるオプションまで、選択肢は豊富です。さらに温水洗浄便座、食器洗浄乾燥機など、日常生活をより快適にしてくれるオプションを組み合わせるのもよいでしょう。
ただし、建売住宅のオプション工事には追加費用がかかるため、予算内に収まるよう、優先度の高い設備を厳選する必要があります。機能性だけでなく、コストパフォーマンス、お手入れのしやすさなどを長期的な視点で吟味することが大切です。
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