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建売住宅の寿命は?寿命が長い住宅の選び方も解説

ー新築建売 不動産屋のマメ知識ー

建売 安い理由

こんな悩みの方におススメ 

  ☑住宅の寿命を知りたい
  ☑安心して長く暮らせる住宅・土地を選びたい

このコラムでお伝えしたいこと 

  ☑寿命が長い建売住宅を選ぶ方法
  ☑建売住宅住宅の寿命を長くするポイント
   


明和住宅営業担当
坂本 祐一郎

宅地建物取引士。
静岡市出身。


大学卒業後、大手ハウスメーカーに住宅営業として勤務後、2019年に明和住宅へ転職。
大手ハウスメーカーと地元工務店双方を経験しているため、両側の目線での住宅提案が可能。土地も扱う明和住宅において、セミオーダー形式による注文住宅のコストカット提案等、地元工務店ならではの柔軟性を活かした営業活動を行う。

 


皆さんこんにちは。
明和住宅スタッフ営業担当の坂本です。

建売住宅を購入するにあたって、住まいの寿命を気がかりに感じる方もいるでしょう。

建売住宅は、注文住宅に比べると購入時の費用を抑えやすい傾向にあります。一方で、長く安心して住み続けるには、寿命を判断する指標や性能を保つためのメンテナンスについて理解を深めておくことが重要です。

本記事では、建売住宅の寿命や注文住宅との差、寿命を延ばす方法などを解説します。法定耐用年数のほか、劣化対策等級、住宅性能表示制度などのさまざまな指標を知り、長く住み続けられる建売住宅を選ぶための判断材料にしてみてください。

建売住宅の寿命

建売住宅の寿命を考えるうえで、法定耐用年数が一つの参考になります。建築基準法に基づいて建設された建売住宅であれば、法定耐用年数は一般的に20~30年程度です。

なお、建物の構造によって耐用年数は下表のように異なります。

構造

耐用年数(住宅用)

木造・合成樹脂造

22年

木骨モルタル造

20年

鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造

47年

れんが造・石造・ブロック造

38年

参照元:耐用年数(建物/建物附属設備)│国税庁

法定耐用年数とは、固定資産の価値が帳簿上から消滅するまでの期間を指し、建売住宅そのものが何年もつかを示す指標ではありません。法定耐用年数を過ぎたからといってすぐに住めなくなるわけではなく、会計上での減価償却の期間であり、あくまでも建物の資産価値を算出するための数字です。

建築基準法の耐用年数は最低限のレベルであり、「耐用年数=寿命」ではないことを覚えておきましょう。実際には、30年以上住み続けられるように設計された建売住宅も多く存在します。

特に、劣化対策等級2以上の基準で設計された建売住宅の場合、50年以上の長寿命を期待できるものも少なくありません。劣化対策等級の詳細は後述します。

 

建売住宅と注文住宅に寿命の差はある?

建売住宅と注文住宅に寿命の差

建売住宅と注文住宅の寿命に、大きな差はありません。

どちらのタイプの住宅も、建築基準法に基づいて設計・施工されており、適切なメンテナンスを行えば長期間にわたり安心して住み続けられます。建売住宅でも注文住宅でも、寿命に大きく影響するのは主に建物の構造や使用される材料、施工の品質です。


2.遵守すべき建築基準法は同じ

建売住宅と注文住宅の寿命に差がない理由は、いずれも同じ建築基準法を遵守して建築されているためです。建築基準法では、建物の構造強度や防火性能、設備の基準などが厳格に定められており、これらの基準を満たしていなければ建築許可が下りません。

建売住宅も注文住宅も、耐震性や耐久性などの品質を確保し、違反建築物とならないよう建築基準法に従って建てられます。この法律に基づき建築確認申請を行い、施工後には完了検査によって基準を満たしていることの承認が必要です。

そのため、建売住宅の注文住宅のどちらを選ぶにしても、メンテナンスなどの管理が適切であれば寿命に大きな差は生じません。

3. どちらも住宅品質確保法に基づき10年間の保証が付いている

建売住宅と注文住宅の寿命に差がないもう一つの理由は、両者に共通した「住宅品質確保法」による10年間の保証制度があるためです。同法では、新築住宅の引き渡しから10年間、住宅の構造を支える主要部分や雨水の侵入を防ぐ部分について、工事請負人と売主に瑕疵(かし)担保責任が課されています。

注文住宅も建売住宅も、10年以内に瑕疵が発覚すれば住宅メーカーや施工業者が修繕責任を負うため、手抜き工事のリスクを回避しやすくなりました。

➾「建売にすればよかった…」と思ってしまうのはなぜ?理由と対策を解説<※関連コラム>


建売住宅の寿命を知るための指標

建売住宅購入のポイント

建売住宅の寿命を知るうえで、法定耐用年数以外にもいくつかの指標を参考にできます。劣化対策等級・住宅性能表示制度・フラット35Sそれぞれの特徴を理解し、耐久性や快適性をふまえて長く住み続けられる住まい選びを実現させましょう。


劣化対策等級

劣化対策等級は、住宅性能表示制度において建物の劣化防止策を3段階のレベルで評価する基準です。等級が高いほど、建物の長期的な耐久性が高いことを示します。

各等級の基準と耐用年数の目安は、下表のとおりです。

等級

定義

耐用年数の目安

劣化対策等級1

建築基準法に定める最低限の対策が施されている住宅

資料上の明記なしだが、建築基準法の基準を満たしているため20~30年程度

劣化対策等級2

2世代が住み続けるうえで十分な劣化対策が講じられている

50〜60年程度

劣化対策等級3

3世代が住み続けるうえで最高水準の劣化対策を講じている

75〜90年程度

参照元:新築住宅の住宅性能表示制度ガイド│国土交通省

建築基準法で定める耐用年数は最低限の水準であり、高品質な建売住宅はこの水準を上回るように設計・施工されています。劣化対策等級2以上の建売住宅であれば、50年ほど大規模な改修工事を必要とせず、性能が長く保たれることが期待できるでしょう。

住宅性能表示制度

住宅性能表示制度とは、国の認定を受けた第三者機関が住宅の性能を規定の基準で10分野から評価する制度です。同制度は、2000年の「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」施行時に導入されました。

住宅性能表示制度は、消費者が安心して高品質な住宅を購入できる市場の整備を主軸に、次のような目的で運用されています。

・住宅の性能(構造耐力、省エネルギー性、劣化・維持管理等)に関する表示の適正化を図るための共通ルール(表示の方法、評価の方法の基準)を設け、消費者による住宅の性能の相互比較を可能にする。

・住宅の性能に関する評価を客観的に行う第三者機関を整備し、評価結果の信頼性を確保する。

・住宅性能評価書に表示された住宅の性能は、契約内容とされることを原則(注1)とすることにより、表示された性能を実現する。

引用元:住宅性能表示制度とは│ 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会

同制度に基づいて評価された建売住宅は、断熱性能や耐震性、バリアフリーなどの性能を購入前に確認でき、希望に合った住まいを選びやすくなるでしょう。

フラット35S基準

フラット35Sは、耐震性や耐久性、省エネ性、バリアフリー性などの一定の条件を備えた住宅を建てる、あるいは購入する方が利用できる住宅ローン商品です。
フラット35Sを利用するには、フラット35の条件をクリアしたうえで、以下4分野いずれかの技術基準を満たさなければなりません。

<フラット35Sの対象住宅>

  • 耐震性:地震に強い構造を持つこと
  • 省エネ性:エネルギー効率が高い設計であること
  • バリアフリー性:高齢者の暮らしやすさに配慮された住宅であること
  • 劣化対策:長期にわたって建物の品質を維持できる対策が施されていること

フラット35S基準を満たしている建売住宅は、長く快適に暮らせるだけでなく、住宅ローン金利の引き下げなどコスト面でもメリットがあります。

寿命が長い建売住宅を選ぶその他の方法

ホームインスペクションで施工品質をチェック

寿命が長い建売住宅を選ぶためには、前述した指標以外にも考慮したいポイントがあります。建材や施工方法といった建売住宅そのものの品質はもちろん、立地、住宅メーカーの対応なども含め、さまざまな観点から安心して住み続けられるかどうかを見極めましょう。

 

土地や地盤の安全性の確認

建売住宅の購入前には、土地や地盤の安全性に関するリサーチが不可欠です。

土砂崩れや洪水被害のリスクが高い地域に位置している場合、突然の自然災害で家を失ってしまう可能性があります。また、地盤が緩ければ地震による影響も出やすく、建物の倒壊や傾きを発生させかねません。

家自体の寿命が長くても、土地の条件が悪ければ長く住み続けることは難しいでしょう。よって、建売住宅を選ぶ際には、地盤の強度を事前に確認しておく必要があります。建物の耐震性や耐久性への影響をふまえて、地盤が弱く地震時に液状化するリスクが高い地域は避けたほうが賢明です。


地盤の強度は、住宅メーカーなどから地盤調査の結果を提供してもらうほか、国土交通省の「地盤サポートマップ」でも確認できます。
また、国土交通省のハザードマップポータルサイトを活用すると、自宅や職場の周辺がどのような災害にさらされるリスクがあるのかを把握可能です。災害リスクを100%回避できる土地はなく、そのぶん立地の安心感を重視して建売住宅を選ぶことが重要になります。


使用されている材料の品質や施工方法を確認

建売住宅を選ぶ際には、使われている建材の品質を仕様書でチェックしておきましょう。木材や設備機器、断熱材などが高品質だと、建物の耐久性も高くなる傾向にあり、長く住み続けやすい住宅だと判断できます。

また、施工方法の確認も欠かせません。国内の木造住宅の主な建築工法は、木造軸組工法(在来工法)と2×4(ツーバイフォー)工法の2種類です。

工法の種類

概要

木造軸組工法

柱と梁を組み合わせて建物を支える伝統的な工法で、材料の選択に柔軟性があり、多様な間取りに対応可能。耐久性にも優れている。

2×4工法

北米で誕生し、日本でも広く使われている工法で、2インチ×4インチの木材を用いて建物の骨組みを形成する。間取りの自由度は低いものの、耐震性を高めやすい。

上記以外にも住宅工法にはさまざまな種類があり、優先したい条件や希望に合わせて適切な工法を選択する必要があります。建売住宅は、メーカーごとに独自の工法が採用されているケースもあるため、建材の品質とあわせてリサーチしておきましょう。

ただし、建売住宅は完成済みの物件も多く、建築工程を自身の目で確かめられないケースも珍しくありません。このため、内覧時には内装だけでなく、建築材料や施工方法についても売主にしっかりと確認し、納得のうえで購入へ進むことが大切です。


保証やアフターサービスの充実度を確認

建売住宅を長く快適に使用するには、定期的なメンテナンスや万が一の備えも重要視したいポイントです。

建売住宅の購入前に確認しておきたい住宅メーカーの保証やアフターサービスには、以下のような内容が挙げられます。

保証・サービス

内容

定期点検サービス

数年ごとにメーカーのスタッフが訪問し、建物や設備の状態を確認

構造体保証

柱や基礎など建物の基本構造部分に対する保証であり、法律で10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている

防水保証

バルコニーなどの屋外部分に施された防水処置に対する保証(※削除)

設備保証

水まわりの設備に関する保証(メーカー保証)

地盤保証

地盤の問題で家が傾くなどのトラブルが発生した場合の保証

シロアリ保証

引き渡しから一定期間内にシロアリ被害が出た場合の保証

保証やアフターサービスのほとんどは対象期間が決められているため、保証期間の終了後にも相談できる窓口が設置されているとより安心です。設備の更新やリフォームの時期なども気軽に相談でき、快適な住まいを長期にわたって維持しやすくなります。

同じ定期点検サービスでも、住宅メーカーによって無償での対応範囲、有償となる場合の費用などには違いがあるため注意しましょう。


内覧時に建物の品質を確認

建売住宅の寿命には、施工品質が大きく影響します。設計上は耐久性が高い住宅も、施工技術が不十分なら本来の耐久性を発揮できず、想定より早く寿命を迎えてしまう可能性があるでしょう。

内覧時点で、建売住宅の外部から内部までを細かく確認して、低品質な物件は極力避けることが大切です。例えば、次のようなポイントは住宅の品質を見極める有効な検討材料になります。

  • 床下に水が溜まっていないか
  • すきま風やカビ臭さを感じないか
  • 壁や床、天井などの材質や仕上げ状態
  • ドアの建て付け
  • 部屋の隅や収納内部など、目立ちにくい場所の仕上げが丁寧かどうか
  • 水回りの設備(蛇口の開閉、排水の状態、浴室・洗面所の清潔さ)
  • 電気設備(コンセントの数や位置、照明の状態)
  • 建物の外壁の状態
  • 騒音の有無などの周辺環境

湿気の影響は、住まいの快適性を左右するだけでなく、施工が雑で隙間があったり防水処置が不十分だったりすると、建物自体の劣化も早めてしまいます。視覚的な情報はもちろん、屋内の湿度や臭いなども内覧時に把握しておきましょう。


建売住宅の寿命を長くするポイント

ホームインスペクションで施工品質をチェック

建売住宅の寿命を長くするうえでは、購入後のメンテナンスが大きな役割を果たします。住宅の状況やライフスタイルの変化に合わせて、リフォーム・リノベーションも視野に入れてみましょう。


定期的な点検とメンテナンス

建売住宅を長持ちさせるには、購入後の定期点検やメンテナンスが欠かせません。小さな不具合を早期に発見し修繕することで、大規模な工事を迫られる事態を防ぎやすくなるためです。

例えば水漏れや木材の腐食などは、住宅の問題を連鎖的に引き起こす恐れもあり、初期段階での対処が肝心になります。こうした問題を早期に発見し、対策を講じられることが定期点検のメリットです。

建売住宅を建てたメーカーやリフォーム会社が定期点検サービスなどを提供しているケースもありますが、業者によっては費用が発生します。ただし、保証期間内であれば無償で対象箇所の補修を行ってもらえるほか、将来的に大規模な改修工事を避けやすくなると考えると、費用対効果は十分に期待できるでしょう。

定期点検によって小さな不具合を洗い出し、まとめて補修工事を行うことで、建売住宅の安全性の維持とメンテナンス費用の節約につながります。


外壁・屋根の塗装

建売住宅で快適に暮らし続けるには、建築後10年程度で外壁や屋根の塗り替えを実施しましょう。

屋根や外壁の塗装は、直射日光と雨風によって劣化し防水性が低下します。放置すると雨漏りや木材の腐食、ひび割れが進行し、建物の倒壊リスクを高めかねません。

塗装の劣化は、一般的に10年前後で現れますが、素材によっては8年程度で補修を要する可能性もあります。特に屋根の状態は自身での確認・補修が難しいため、築10~20年を目安にメンテナンスを依頼するとよいでしょう。

雨漏り修繕

建売住宅の雨漏りを放置してしまうと、木材が腐り建物の寿命が短くなってしまうため、極力早めに修繕する必要があります。品確法で保証される10年以内に発生した雨漏りは、無償で修繕してもらうことが可能です。

木造住宅は水分に弱く、雨漏りや水漏れが原因でカビ・腐朽が発生すると、構造部分の強度が低下します。湿度が高い状態が続くことでシロアリや害虫も発生しやすくなるため、定期的なメンテナンスを行い、傷みが少ないうちに対策を講じましょう。

防蟻処理

建売住宅の性能を長く保つには、シロアリ被害を防ぐための防蟻処理も必須と考えましょう。湿気の多い水回りや床下のほか、柱、壁の中もシロアリの発生リスクがあり、木材を食い荒らされることで建物が脆くなると、倒壊リスクが高まります。

木造の建売住宅は、施工時に防蟻処理が施されているものの、その効果は永続的なものではありません。一般的に使用されている防蟻薬剤の効果は5年程度のため、シロアリ被害を未然に防げるよう定期的な防蟻処理を徹底しましょう。

水回りなどの設備機器の更新

建売住宅への入居後、日々使用する水回りをはじめとした設備機器の更新も忘れてはいけないポイントです。設備機器の更新にはコストがかかりますが、長期的な目で見れば、大規模な改修工事を回避し、建物の寿命を延ばすことにつながります。

水回りの設備機器は見えない部分が劣化している恐れもあるため、不具合を感じていなかったとしても、築10~15年程度で点検・更新を行っておくのがおすすめです。


計画的なリフォームやリノベーション工事

建売住宅に劣化や不具合が生じた場合、リフォーム・リノベーションを行うのも一つの選択肢です。ライフスタイルの変化に応じて間取りの変更、内装のカスタマイズをすれば、自分自身や家族にとってより心地良い住まいも実現できます。

老朽化した設備の更新とともに住宅性能の向上、理想の空間づくりなど、リフォーム・リノベーションには多くのメリットが期待できる一方で、費用や手間がかかることも事実です。これらの工事は、建売住宅の劣化の進み方や将来のことも考慮しながら計画的に検討しましょう。

まとめ

建売住宅の寿命は、法定耐用年数でいえば一般的には20~30年程度です。ただし、法定耐用年数は減価償却に適用される会計上の数字であり、期間を超えたからといってすぐに住めなくなるわけではありません。

建売住宅の寿命を判断するための指標はいくつかありますが、長く住み続けるには、適切な施工方法と高品質な建材の使用、そして定期的な点検・メンテナンスが不可欠です。メンテナンスの際は、外壁や屋根の塗装、雨漏り修繕、防蟻処理、設備機器の更新など、不具合が小さなうちに対策を講じることで、のちのちの大規模改修を回避しやすくなります。

ライフスタイルの変化のほか、生活のなかで建売住宅に劣化や不具合が生じた場合には、計画的なリフォーム・リノベーションも検討してみましょう。

明和住宅の建売住宅は、設計住宅性能評価によって耐震性や省エネ性、長期優良住宅基準を満たす高品質な設計であることの認定を受けています。
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引き続き、家づくりをお楽しみください。


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